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2023.09.22【医師が解説】切らないリフトアップ術、「糸リフト(こめかみリフト)」とは?施術動画と効果・メリット◆スタッフが施術しました◆

こんにちは、アンデュースキンケアクリニック副院長の浅野です。

先月はお盆休みをいただき、子どもたちと犬と一緒に、伊豆下田に旅行に行ってきました。下田水中水族館という犬もOKの水族館があり、屋外でイルカショーを見たからか、どうやら日焼けをしてしまっていたようです。黒くならないように、日焼け前は飲む日焼け止めと塗る日焼け止めを使いました。今は施術や点滴で日焼け後の対策をしていて、紫外線による光老化を最小限に抑えられるように頑張っています。

さて「光老化」と聞くと、シミのイメージをお持ちの方が多いと思いますが、日焼けによる影響はシミだけではなく、シワやたるみも起こります。よく車の運転をする方だと、窓に近い日差しを受けやすい側(右ハンドルだと顔の右側)に、シワやたるみが強く出てしまうことが分かっています。ご自宅の中でもいつも座っている位置によっては、光老化によるたるみが起こってしまう可能性があります。どれだけケアをしていてもたるみは気になりますよね。

そこで今回は、切らないリフトアップ術「糸リフト(こめかみリフト)」について解説させていただきます。リフトアップの施術としてお問い合わせが増えており、以前解説した糸リフト(頬・フェイスラインリフト)と合わせて施術を受けているスタッフもいるため、症例を交えてご説明していきたいと思います。今回も施術を受けたスタッフの施術風景、ビフォーアフターを掲載しています。尚、当院では、糸リフトとして頬・フェイスライン、こめかみ、ショッピングスレッド、鼻などを行っていますが、今回のブログでは糸リフト(こめかみリフト)をご紹介します。

1. 糸リフト(こめかみリフト)とは?

1-1. 溶ける糸を使用した安全な「切らないリフトアップ術」

こめかみリフトとは 女性横顔.png

糸リフト(こめかみリフト)とは、特殊な吸収糸を使用する"切らないたるみ治療"です。当院の糸リフト(こめかみリフト)では、以前糸リフト(頬・フェイスラインリフト)の記事でご紹介させていただきました、進化したTEX3Dという種類の糸を、同様に使用していくことになりました。

挿入部位はこめかみ辺りの生え際の一か所のみなので、メスを使用するフェイスリフトに比べてダウンタイムが少ないことや、自然な仕上がりになることが特徴です。
使用する糸は外科手術などで用いられる素材で出来ているため、生体に対して安全性が高いものです。約1~2年程で徐々に吸収され、その間コラーゲン増生を促すため、長期的な効果が期待できます。またレントゲンやMRIに写ったりせず、自然に分解・吸収されるので体内に異物が残らないことも大きなメリットです。

1-2. 従来よりも「強力でなじみやすい糸」でさらに効果を発揮

当院は、TEX 3Dという種類の糸を導入しました。糸と突起が一体となっているモールディングタイプであり、従来のカッティングタイプよりも突起の数と大きさがアップして更に強度が増しました。
また、360°らせん状に突起が付いているため、全方向から組織を引き上げ、より高いリフティング力が期待できます。
またTEX 3Dの素材は、PLLA(ポリL乳酸)とPCL(ポリカプロラクトン)の混合素材です。PLLAは丈夫で耐久性に優れ引っ張る力が強いため、よりリフトアップ効果を高く持続する特徴があります。PCLは柔軟性に優れ肌になじみやすいため、ひきつれや痛みを軽減できる特徴があります。それぞれ、外科手術などで用いられています。PLLAは強さがあるので骨折手術等でプレートやネジとして使用され、PCLはしなやかで柔らかさがあるため、縫合手術の糸や鼻先の形を作る鼻尖形成に用いられることがあります。この2つのPLLAとPCLを混合することによりそれぞれのメリットを活かし、より優れた効果・持続性・親和性が期待できます。

PLLA・PCL.png

1-3. 針糸の一体型でより正確な位置へ挿入可能

TEX3D.png

TEX 3Dという種類の糸は、針と糸が一体型になっています。従来の一体型タイプは、刺入して針を引き戻すと糸が自動的に挿入される仕組みのため、位置の調整がしづらい点がデメリットでした。
TEX 3Dは本体にストッパーがついており、位置をしっかりと調整した後にストッパーを外すことでより正確で、狙った位置へ糸を挿入することが可能になりました。

2.実際の施術風景とQ&A

【施術した内容】

今回の施術内容は、糸リフト(こめかみリフト)で左右4本ずつ計8本の糸を使用しました。糸を複数本使用しても、こめかみ辺りの刺入点は1か所のみとなります。また糸が入っている場所が髪の毛の中なので、施術直後も内出血や腫れが他者から見て目立ちづらいことも糸リフト(こめかみリフト)のメリットです。

【ビフォーアフターと施術に関するQ&A】

before・after.png

Q.施術中の痛みはありますか?

A.まず針を刺入する部分に局所麻酔を行います。初めの局所麻酔の痛みはありますが、施術中の痛みはほぼ感じないという感想をいただくことが多いです。ただ、個人差がありますので、人によっては押されるような鈍痛を感じる場合もあります。糸を挿入する部位に行う麻酔には、鈍針(マイクロカニューレ)を使用しています。鈍針は先が丸くなっているため、予防接種などで使用するような先のとがった鋭針と比べ安全に施術ができるメリットがあります。また手術用に特注した鈍針を使用しており、ヒアルロン酸注射の時に使用する鈍針に比べて約1.7倍ある長い鈍針で注射します。一度の刺入で自在に調節できることに加え、より広い部位に薬液を注入することができ、針を刺す回数が減ることで組織を傷つけづらいため、痛みや内出血を最小限にすることができます。
今回施術したスタッフは、頬・フェイスラインリフトの糸リフトも受けていますが、"その時は若干押されるような感覚があったけれど、今回の施術は最初の局所麻酔以外は何も感じなかった"とのことでした。また、こめかみから側頭部に向けて糸を入れていくため、ヘアカラーやヘッドスパ、ヘッドマッサージ等は前日までに済ませておくと安心です。

鈍針 提出用.png

Q.施術後、どのような経過ですか?気をつけることはありますか?

糸リフト(こめかみリフト)広告規制修正後画像.png

A. 施術直後は、赤みや麻酔による腫れが出る場合がありますが、2~3日程度で徐々にひいていきます。気になる方はご自宅でもよく冷やしてください。麻酔が切れてくると鈍痛を感じることが多いですが、1~2週間程で徐々にひいていきます。また、内出血や刺入したことによる腫れが出る場合もありますが、1~2週間程で徐々にひいていきます。リフトアップ効果は直後から感じていただける方もいらっしゃいます。また麻酔や刺入したことによる腫れや赤みが強く出てしまう方は、すでにリフトアップしていてもわかりづらいことがありますが、腫れが引く頃には効果を実感していただけます。
尚、糸リフト(こめかみリフト)の糸は柔軟性や親和性に優れますが、なじむまでは患部を触ると鈍痛を感じる場合があります。その場合1か月程で徐々にひいていきますが、心配なことやご不明な点があればお気軽にお問い合わせください。

Q.何本くらい使用すれば良いですか?

A.左右4本ずつ計8本程度の使用が目安になりますが、カウンセリングでしっかりと顔の状態を拝見して決定します。また施術前にも、その方の状態にあったデザインをして刺入部位を決定します。また、こめかみリフトを左右2本ずつ、頬・フェイスラインリフトを左右に2本ずつの計8本を使用して挿入することも可能です。ご希望のイメージや適応を考えて、糸リフトの組み合わせをご提案することがあります。

Q.施術の前後に他の施術を受けることはできますか?

A.当院では肌に負担がかからないように、また効果をより実感しやすいように前後の施術可能間隔を設けています。まず糸リフト(こめかみリフト)の施術前ですが、前日に受けても問題ない施術もあれば、比較的ダウンタイムのある治療などは1か月程空ける必要があります。また糸リフト(こめかみリフト)の施術後に関しては2~4週間程空けることをおすすめしている施術が多いです。頬・フェイスラインリフトの糸リフトなど同日に施術可能なものもあります。あくまで目安なので、心配なことやご不明な点があればお気軽にお問い合わせください。

3.糸リフト(頬・フェイスラインリフト)の効果・メリット

目元アップ.jpg

3-1. 頬やほうれい線のリフトアップ

糸リフト(こめかみ)はこめかみ周辺の生え際から側頭側(上方向)に刺入します。複数の方向に糸を挿入することで、頬や全体の組織を引き上げ、自然なリフトアップが期待できます。

3-2.重く感じる目元の改善

目元が重く感じる方は、目周りのたるみが原因のことがあります。そのような方には目元のたるみを糸リフト(こめかみリフト)で引き上げることにより、髪を後ろで結わえるイメージ(ポニーテール様)でリフトアップさせ、重く感じる目元をすっきりさせることが期待できます。

3-3.たるみ毛穴の改善

頬や目元がたるむと、たるみ毛穴(しずく型のように縦に伸びた細長い毛穴のこと)が生じます。たるみ毛穴のご相談は、三角ゾーンと呼ばれる目の下の頬の部分(頬骨の高くなっている場所の内側)が特に多いです。顔の中でも目の下は、皮膚が薄くハリがなくなりやすいため、たるみ毛穴が目立つ部分です。ハリがなくなってきた頬や目元をリフトアップさせることによって根本的にたるみ毛穴を解決することができます。

3-4.コラーゲン増生による長期的効果

糸リフト(こめかみリフト)で刺入した糸は1~2年程かけて徐々に分解され、自然に溶けて吸収されていきます。長期的に真皮でコラーゲン増生が行われ、ハリのある肌へ導きます。

3-5.たるみ予防

コラーゲンが増えることによって、エラスチンの増生も促進されます。エラスチンはコラーゲンと結びつき弾力を生む作用があるため、たるみの予防にもつながります。

4.糸リフト(こめかみリフト)はこのような方におすすめ

糸リフト(こめかみリフト)は下記のお悩みがある方に特におすすめです。

おすすめチェックボックス.png

今回のご紹介はここまでです。次回更新は10月下旬ごろ、「糸リフト(こめかみリフト)と糸リフト(頬・フェイスラインリフト)、ヒアルロン酸注射の違い・施術の流れ・頻度・注意点・まとめ」についてご案内いたします。

糸リフト(こめかみリフト)の治療についてご興味のある方、是非お気軽にご相談ください。

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PROFILE

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浅野 さおり(あさの さおり)

徳島大学医学部医学科 卒業
横浜市立大学大学院博士課程修了
横浜市立大学形成外科、他関連病院 勤務
2016年アンデュースキンケアクリニック 入職
2020年アンデュースキンケアクリニック副院長就任

医学博士
日本専門医機構形成外科領域専門医
サーマクール認定医


アンデュースキンケアクリニック
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